ネット通販市場
ネット通販市場、特にEC(電子商取引)市場は、世界的に拡大を続けている非常に活発な分野です。
ここでは、その現状とトレンド、将来予測について、日本の状況を中心に解説します。
■日本のEC市場の現状
経済産業省の「電子商取引に関する市場調査」によると、日本のEC市場は継続的に成長しています。
・BtoC-EC市場規模(消費者向け):
2023年には24兆8,435億円となり、2022年の22兆7,449億円から9.23%の成長を記録しました。
この市場は、主に「物販系分野」「サービス分野」「デジタル分野」の3つで構成されています。
物販系分野:2023年には14兆6,760億円(前年比4.83%増)。EC化率は9.38%です。成長率は緩やかになっていますが、引き続き堅調に推移しています。
サービス分野:2023年には7兆5,169億円(前年比22.27%増)。コロナ禍で大きく落ち込みましたが、回復傾向にあり、過去最高を記録しました。旅行サービスなどが回復を牽引しています。
デジタル分野:2023年には2兆6,506億円(前年比2.05%増)。電子出版や動画配信が好調ですが、オンラインゲーム市場は減少傾向にあります。
・BtoB-EC市場規模(企業間取引):
2023年には465兆2,372億円(前年比10.7%増)と大きく拡大しています。EC化率は40.0%に上昇しました。
・CtoC-EC市場規模(個人間取引):
2023年には2兆4,817億円(前年比5.0%増)と推計されています。
・越境EC:
日本から中国への越境ECは2022年に2兆4,301億円、日本からアメリカへの越境ECは2023年に1兆4,798億円と、いずれも拡大傾向にあります。